社長の話

私は耳を疑ってしまいました。聞き間違い?
2006年1月。「谷口さんに鎌倉パスタの代表取締役をお願いしたいと思います」
株式会社サンマルク常務取締役から、ある日突然の電話。
「いきなり社長ですか???」

サンマルクといえば、2004年、2005年と外食業界の中で、収益力ダントツトップ。2006年もおそらくトップでしょう。NO.1の会社というのは何を考えているのかよくわかりません。

1995年春。私は横浜で就職活動をしていました。就職活動といっても、特に何をやりたいということはありませんでした。まわりの人たちが就職活動しているからなんとなく。リクルートスーツとか着て学校来てるやつがいるわけですよ。
「なんでそんなかっこしてんの?」
「今日午後から○○の会社説明会」
「就職活動?もうはじめないとやばい?」
「・・・やばい・・・と思う」
などというお気楽な学生でした。しかし当時はまだバブルの勢いが残っていた時代で学生の売り手市場。とりあえず某スーパーに入社。しかし3年で退社。理由?仕事が楽しくないから。その当時は自分の仕事に面白さを見出せなかったのです。

やりたいことがないっていうのは、つまり目標がないわけで、でも「自分の人生の目標は!」なんて考えるの面倒くさいし、そんなこと口にするのは恥ずかしい。だけどなんとなくやってる仕事って楽しくないんです。

そんな勢いでやめてしまったので、新しい就職先を探さなければなりません。コンビニで転職情報誌を買い込んで探しました。

そしてまたまた“なんとなく”サンマルクに入社。レストランの仕事は、お客様との距離が近く、トテモいそがしいので、日々の充実感というのがあります。体を動かすこと、人に喜んでもらうのが好きな人には向いてますね。よく働きました。

入社して3年目。あるお店の店長になりました。しかし、バブル崩壊でお店の売上はどんどん下がっていったのです。そしてお店は閉店。とにかくショックでした。自分の実力ってこんなもの?しかも一緒に働いていた社員はコレを機に退職!自分も・・・。そんな風にも考えました。

でも《フト》考えたんです。このまま会社辞めて世の中に出てしまったら、自分の力で生きていけるのカナ?・・・いけるわけがない。

ここからはもう必死でした。経営のコト、マーケティングのコト、いろんなことを勉強しました。
ちょうどそんな頃です。株式会社サンマルクが業態別に分社するので、事業会社5社の経営陣を選抜するらしい。「代表取締役、執行取締役、総務取締役の3名ずつで15名の経営者を選抜するので、選考試験を行う。その選考にあたっては年齢、社歴を問わず、経営者としての能力、資質によって選抜する」という本部からの通達が流れてきました。

「選抜試験するっていったって、どうせもう人選はできてるんでしょ」という感じでしたが、とりあえず試験だけは受けてみようかと。

経営者を選抜する試験ですから、当然経営戦略であるとか、マーケティング、会社法、労働法、財務などの内容です。どれだけの知識があるのか、そしてその知識を使って、どれだけ経営について考える力があるのかを問う内容でした。

「あれ、コレってこの前、勉強したやつじゃん」「あ、コレも」という感じで、自分が勉強している方向性は間違ってないなと。

試験は終わりましたが、それだけのこと。日常業務に戻っていました。そんなある日のコト。

サンマルク常務取締役からの突然の電話。
「谷口さんに鎌倉パスタの代表取締役をお願いしたいと思います」
「・・・・あの試験って本気だったんですか・・・」

これからもこの会社ではこんなことが起こるんだろうなあ。ちょっとしたことで人は変われる。この会社ではあなたにもこんなことが起こるかもしれませんね。

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